*追記 2026年3月期 第2四半期(2025年4月1日~2025年9月30日) まとめは一番下にあります。
最近決算シーズンも近づき、なんか割安なのないかなと筆者が本屋で本を探していたところ、資産バリュー投資について書かれている本が目に入り、スクリーナーで条件を絞っていたところ出てきた会社です。大型株についてはアナリストがついており、めっちゃ調べているであろうからかなわないですが、中小型株は中々レポートもないので、どんな会社かをしる入りがないことが難しいなと思っていました。
ということで調べることに、三日くらい空き時間を使ってでき得る限り調べてみました。
そもそもどんな企業?
丸藤シートパイル株式会社[8046]は、建設現場で使われる鉄骨や足場材といった「仮設資材」。これらを製造・販売・リースする専門企業です。
創業は1926年、上場は1964年と、100年近い歴史を持つ老舗で、東日本エリアを中心にインフラ整備を支えてきた業界大手。H形鋼や鋼板などの重仮設資材に加え、それらの洗浄・補修サービスも手がけ、再利用による環境配慮や施工現場の安全性向上にも貢献しています。わかり安い所では歩道橋やガードレールなども取り扱っているようです。
ホームページには「経験がある。技術がある。安心がある。」とキャッチフレーズが紹介されており、スタンダード市場に上場していることがわかります。
財務指標の分析(ROE・PBR・利益率など)
丸藤シートパイル(8046)は、業務内容が建設用鋼材をリース販売と財務の健全性を保ちながら安定した収益力を持つ企業ですが、現在の株式市場では著しく割安に放置されている銘柄です。だからスクリーニングを絞っていくときにひっかかりました。
特に注目するべきは、PBR(株価純資産倍率)0.39倍という水準。これは、同社の解散価値(解散したときに株主に帰ってくると仮定した企業価値)の3分の1程度しか評価されていないことを意味し、純資産に対して株価が大きく下回っている状態です。また、ネットキャッシュが時価総額を上回っており、財務的には非常に安全性が高く、「安全性の高いバリュー株」として投資妙味があるかもしれません。逆にそれだけ期待されていないとも言えますが、本当に期待さていないのか調べていきます。とりあえずまとめると
| 指標項目 | 数値・内容 | 雰囲気 |
|---|---|---|
| 株価(2025年7月半ば)→7月末日 | 約3,010円→3370円 | 7月末 年初来の高値更新 |
| 予想PER(株価収益率) | 約8.55倍 | 割安圏(10倍未満) |
| 予想PBR(純資産倍率) | 約0.39倍 | 解散価値以下の水準 |
| 配当利回り | 約3.86% | 高水準で安定 |
| EPS(一株利益) | 428.7円(2025年3月期) | 年々改善傾向 |
| ROE(自己資本利益率) | 約5.05% | 徐々に改善(過去最高水準付近) |
| 営業利益率 | 約4.44%(2025年3月期) | 過去最高水準 |
| ROA(総資産利益率) | 約3.5% | 収益効率も上昇傾向 |
| 自己資本比率 | 約70.3% | 非常に健全な財務体質 |
| 有利子負債 | ごく僅少 | ネットキャッシュリッチ企業 |
| 売上高 | 355.8億円(前年比+3.0%) | 安定した増収 |
| 経常利益 | 20.7億円(前年比+7.8%) | 利益体質が強化中 |
| 純利益 | 15.3億円(2025年3月期) | EPSに反映済 |
通常の東証プライム企業のPBRは1倍前後、同業他社でも0.6倍程度が一般的ですが、丸藤がこれほどの低PBRなのは、株価が過小評価されている可能性が考えられます。比較的高配当利回り、過去10年で減配はなく業績に応じた増配も実施しており、配当目的の中長期保有に向く銘柄です。ROE/ROAともに改善中で利益体質が強化されており、資本効率も年々向上しています。財務の安全性が抜群で自己資本比率70%以上、有利子負債がほぼ無い点から、企業の安定性が非常に高いといえます。
2026年3月期第1四半期決算で 売上高95.06億円(前年比+15.1%)、営業利益5.73億円(+49.9%)、経常利益6.99億円(+40.4%)、純利益4.88億円(Y on Y+50.3%) と各利益項目で大幅増益を達成しました。特に 営業利益率は前年に比べて改善し6.0% に達し、第一四半期で通期見通しに対して進捗率33.3%と堅調さが際立ちます。この内容を受けて当日の 株価は5.5%上昇し年初来高値を更新。販売戦略の見直しや採算重視の営業方針が目に見える成果となっており、事業の収益性と安定性が高まっていそうです。
丸藤シートパイルの将来性を考える
ここまで調べてきて思ったこととしては、派手さはないが、安定感と堅実性の光る企業という感想。
丸藤シートパイルは、ここ数年の業績を見ると、売上・利益ともにじわじわと右肩上がり。実際、2022年から2025年まで4期連続の増益を達成し、営業利益も2年平均で+21.9%増加するなど、安定した成長を見せています。
ただし、今期(2026年3月期)は少し減速が予想されていました。純利益は前年比で-8%の減益予想となっており、これまでのような力強い伸びからは一息つく形と市場でも見られていましたが、今決算で予想以上の力強さをみせたことで直近の上りに反映されています。
中期経営計画では「2026年度に売上400億円・経常利益20億円を目指す」としていますが、すでにその水準に近づいているため、これ以上の“成長ストーリー”が乏しいというネガティブな声もあるそうです。
業界の市場動向
丸藤シートパイルが属する建設資材・仮設機材業界は、国内インフラの老朽化対策や災害復旧といった安定した需要がある分野です。たとえば、50年以上経過した橋やトンネルの改修工事、防災・復興関連の土木需要などに対応するかたちで、同社も製品ラインナップの拡充や人材体制の強化を進めています。
一方で、建設業界全体では資材価格の高騰や、国際情勢によるコスト上昇リスクもあり、工期の遅れなどが業績に影響する可能性もあります。また職人の減少により、リースの需要のさらなる増加という事も中々望めないようです。大きな成長は望めないが、インフラニーズが絶えないため中長期的に安定した需要が見込める業界と考えられるでしょう。
最近何かと注目されるESG投資ですが、環境・社会・ガバナンスの頭文字から来る用語です。
丸藤シートパイルの事業は、資材のリース中心のため、同じ資材を繰り返し使う循環型モデルが成り立っており、環境への負荷軽減に貢献しています。さらに、工場では自動洗浄機や自動塗装機の導入が進んでおり、省力化と高齢作業者の負担軽減といった社会課題への対応も進行していると紹介されています。
また、経営面では創業家主導から徐々に脱却しつつあり、株主還元姿勢も安定的(配当性向30%を維持)と、ガバナンスへの意識も高まっている点も見逃せません。
事業そのものが「再利用・環境配慮型」であることから、地味ですが、ESG投資株という事は評価できると思います。
競合他社との比較で見える今
株価指標比較(2025年7月末時点)
| 企業名(証券コード) | 予想PER | 予想PBR | 配当利回り(会社予想) | ROE(実績) |
|---|---|---|---|---|
| 丸藤シートパイル(8046) | 8.55倍 | 0.39倍 (7/31時点) | 3.86% (130円/株) | 5.05% |
| ジェコス(9991) | 9.17倍 | 0.66倍 (7/31時点) | 4.36% (57円/株) | 7.03% |
| 丸紅建材リース(9763) | 7.91倍 | 0.61倍 (7/31時点) | 4.45% (143円/株) | 7.46% |
業界内では、JFE系の最大手ジェコス(9991)や丸紅グループ系の丸紅建材リース(9763)といった同業他社がありまう。これらの会社と比べて、PER・PBRともに一段と低い水準にあります。特にPBR0.39倍は純資産の約3分の1以下に近い値という異例の割安さです。業界平均のPERを0.6倍程度と見積もってもその値の近くまで、丸藤シートパイルが見直されれば、大きく株価上昇の余地が残されているかもしれません。
懸念点としては他社が増収増益を続ける中で、丸藤は中期経営計画を見ても保守的で成長鈍化が見受けられます。財務の健全性(自己資本比率70%以上)は高いものの遊んでいるお金とみなされることもあり、資本が株主に還元されにくいとも言えます。出来高も少なく、大型資金が入りにくい“流動性の壁”も意識されるかもしれません。
まとめ:調べてみてわかったこと
決算期だし、良い中小型株を探していたところ、気になった丸藤シートパイル、、、調べるうちに、「財務が極めて健全で配当も安定しているのに、どうしてここまで割安なのか?」という疑問が強くなっていきました。
PBRは0.39倍と解散価値の3分の1直近では収益も改善してきていますが、一方で、市場からの評価は低く、成長シナリオが地味で、中計も保守的。出来高が少なく、資本効率も平凡。それがこの“PBRの低迷”を生み出している現実のようです。
ただ、そのギャップこそが「資産バリュー株」としての魅力ではないでしょうか。派手さはなくても、数字で見れば、着実に利益を積み重ね、堅実な経営を続けている。そんな企業が見直される日を信じて、じっくり付き合うのも悪くないかもしれません。
2026年3月期 第2四半期 決算まとめ
1. 決算ハイライト
要点:増収・大幅増益。純利益は +33% と非常に強く、採算改善が際立つ決算。
| 指標 | 金額(百万円) | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 18,586 百万円 | +1,852(+11.1%) |
| 営業利益 | 833 百万円 | +199(+31.4%) |
| 経常利益 | 1,115 百万円 | +250(+28.9%) |
| 親会社株主に帰属する中間純利益 | 756 百万円 | +188(+33.2%) |
| 自己資本比率 | 71.8% | +1.4ポイン |
業績背景
上半期の国内経済は、インバウンド回復・雇用環境の改善などから緩やかな回復が続いた一方、資材価格の高止まり、労務費上昇、地政学リスクといった不透明感も残る状況でした。
建設需要に関しては、「国土強靭化」「インフラ老朽化対策」といった公的投資が底堅さを支える形で推移し、杭・基礎工事の分野では一定の需要が維持されました。
こうした環境のなかで同社は、採算重視の営業活動や適正価格の確保、高付加価値の工法提案などに注力。これが利益率の改善につながり、売上高以上に利益が伸びる構造を作り出しました。
外部環境に左右されやすい建設関連企業としては、非常に「良い意味で堅実な成果」が出ています。
決算のトピック
今回の決算で特に注目すべきポイントは以下の4つです。
1. 利益率の改善が顕著
売上 +11%に対し、営業利益 +31%、純利益 +33%という「利益が先に伸びる決算」。
コスト高の環境下でこれを達成しており、今期の評価ポイント。
2. コンクリートパイル事業が国内外で伸長
国内建築需要の安定、インフラ関連工事の継続、復旧・補強工事の需要が追い風。
3. 鋼管杭・場所打ち杭も高成長
どちらも30%前後の伸び。
分散化された杭構成がリスク低減にも寄与している。
4. 財務の強さ(自己資本比率 71.8%)
負債が減少し、純資産が増加。建設資材メーカーとしては極めて安定した財務体質。
まとめコメント
丸藤シートパイルの第2四半期は、売上+11%に対して純利益+33%という“収益力の復活”が印象的な決算でした。主力のコンクリートパイルに加え、鋼管杭・場所打ち杭も2桁成長し、事業全体でバランス良く伸びています。
資材価格の高止まりや労務費上昇といった逆風が続く中で、採算重視の営業が奏功し、利益率が改善。財務も安定しており、配当も増額されるなど株主還元も前向きだです。国土強靭化やインフラ老朽化対策の継続を考えると、同社は中期的にも底堅く推移しやすいポジションといえるのでは?。
2026年3月期 第2四半期 連結決算 まとめ
決算ハイライト
要約:売上はほぼ横ばいながら、利益面で大幅な増益を確保。通期計画も上方修正され、配当も増額というポジティブな内容です。
| 指標 | 数値 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 549億21百万円 | +2.1% |
| 営業利益 | 37億31百万円 | +35.6% |
| 経常利益 | 41億22百万円 | +51.0% |
| 親会社株主に帰属する純利益 | 27億55百万円 | +56.9% |
| 通期売上高予想(修正) | 1,100億円 | -0.9% |
| 通期営業利益予想(修正) | 69億円 | +3.0% |
| 通期経常利益予想(修正) | 74億円 | +5.7% |
| 通期配当予想 | 年間59円 | 前期比+5円 |
業績背景
上期の利益拡大の主因として、同社が主力とする「重仮設事業」のうち、仮設工事分野が前年同期比大幅増収となったことが挙げられています。特に大型案件の進捗と、賃貸・サービス単価改善が効いています。
一方で、仮設鋼材分野では稼働率低下の影響があったものの、低採算取引を抑制する戦略を取っており、採算改善に寄与しています。 コスト面では、材料価格・人件費・旅費交通費の増加を吸収し、売上総利益率が改善。これが利益拡大を支えています。
通期の経常利益は予想は増収に上方修正されているものの、通期売上予想がほぼ横ばいにとどまっている点は、上期の受注・稼働状況が良かったものの、下期においては警戒すべきサイン(鋼材市況・施工稼働)として示されています。もしくは、保守的に売り上げ予想を出している可能性もあるため判断が難しいところです。
決算のトピック
- 大幅増益の達成:経常利益+51.0%、純利益+56.9%という数字は、同社にとって非常に好調な上期。市場・投資家の注目材料です。
- 通期予想の上方修正:経常利益を70億円から74億円へ修正。配当も年間57円→59円と増額。
- PBR改善・株主還元強化の動き:PBR目標0.8倍への言及、配当増額という株主還元姿勢を明確化。
- 下期の警戒点:売上横ばい予想、鋼材・稼働・市況リスクがメンションされており、「良い上期をどう下期に繋げるか」が市場の焦点。
- 海外子会社化による潜在成長:FUCHI社の連結化で海外展開が加速。中期成長ストーリーの証左。
まとめコメント
ジェコス株式会社の2026年3月期第2四半期は、売上はほぼ横ばいながら、利益面で大きく伸ばし、通期予想の上方修正と配当増額という好ニュースを伴った決算でした。
特に仮設工事分野の伸びと採算改善策の成果が際立ちます。一方で、仮設鋼材分野の稼働低下や鋼材市況リスク、下期の売上横ばい予想など、慎重に見なければならない論点も残ります。
感想としては、ジェコスは“構造転換期を抜けつつある成長企業”となってきたのかもしれません。
投資は自己責任でお願いします。


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