【2025年最新】株主優待で“マック気分”をお得に楽しむ!スターゼンを深掘り分析の話

最近、優待もいいなと思いながら優待銘柄も見ていると、有名な優待銘柄はPBRを見てもPERを見ても高い高い、、、

手が出せません。マックの優待もいいなと思ったものの、購入価格で見ても最低優待取得価格が60万程度かかり、配当金も1%前後です。計算してみると

マクドナルド株は、最低投資金額が約60万円前後とやや高額で、年間配当金は1株あたり39円、配当利回りは約1.0%。加えて、優待内容(6枚綴り×年2回)を最大限活用したとしても、例えば侍マックセット(1食あたり約850円)を年間12枚(6枚×年2回)すべて使うと、10200円相当となります。

優待価値10200円 ÷ 投資額60万円 = 優待利回り約1.7%

配当利回り(約1.0%)と合わせて総合利回りは約2.7%になります。

そんな中で見つけたのが「マックカード」。マクドナルドで使える金券で、お釣りも出る便利なカードです。
このマックカードを株主優待として導入している企業の一つが、食肉大手のスターゼンです。

同社は2025年5月に株主優待制度を拡充し、新たな特典として「マックカード」を導入しました。

なお、200株保有でマックカード1,000円相当が年1回もらえるので、現在の株価(約1,175円×200株=約23.5万円)で計算すると、優待利回りは約0.43%となります。
また、スターゼンの2025年実績ベースでの年間配当は43円(株式分割後・実績値)のため、配当利回りは約3.5%程度。
この2つを合わせた総合利回りは約3.9%前後となり、比較的手頃な金額で取得できる優待銘柄であることがわかります。

今回は、そんなスターゼンについて、企業の実態や業績、将来性をじっくりと掘り下げていきます。

目次

優待の詳細|スターゼンの新しい株主優待制度

スターゼンは2025年5月から優待制度を拡充し、
新たにマクドナルドで使える「マックカード」1000円分を導入しました。

この背景には、スターゼンが日本マクドナルドの銀座1号店開店当初からビーフパティを供給しているという長年の取引関係があります。
この縁をもとに、「自社の事業を株主にも身近に感じてもらいたい」という想いからマックカード優待が誕生しました。

新制度の概要(2026年3月期から適用)

新しい優待制度は、「知る・好きになる・感動する」という3つのコンセプトで構成されています。
2026年3月末時点の株主名簿に記載された200株(2単元)以上を保有する株主が対象です。

コンセプト保有株数優待内容(WEB申込の場合)
知ってもらいたい!200〜599株マックカード 1,000円分
(※WEB申込限定)
好きになってもらいたい!600〜999株3,000円相当の当社グループ製品から選択
好きになってもらいたい!!!1,000〜5,999株6,000円相当の当社グループ製品から選択
感動してもらいたい!6,000株以上12,000円相当の当社グループ製品から選択

※WEB申込限定の「マックカード」は、はがき申込では選択できません。
※優待内容やデザインは予告なく変更となる場合があります。

従来の優待制度(〜2025年3月期)

2025年3月末時点では、以下の基準で自社製品ギフトが進呈されていました。この段階から3分割しているので

保有株数優待内容
200株以上(現在株数600株以上)3,000円相当の当社グループ製品
1,000株以上(現在株数3000株以上)5,000円相当の当社グループ製品(ミートギフト or 加工品ギフトを選択)
2,000株以上(現在株数6000株以上)10,000円相当の当社グループ製品(同上)

このように、2026年3月期からの新制度では「マックカード」という新しい選択肢が追加されただけでなく、それぞれの株数で比較しても優待内容は拡充されています。
株主のライフスタイルに合わせた多様な特典が用意されました。

社会貢献活動への寄付制度

スターゼンでは2021年より、優待品の代わりに社会貢献団体への寄付を選べる仕組みを導入しています。
2024年度は、世界の飢餓支援を行う「国連WFP協会」への寄付が実施されました。

  • 寄付を選択した株主:65名
  • 寄付金額:295,000円
  • 寄付先:国際連合世界食糧計画(WFP協会)
  • 寄付金の使途:災害・紛争地での食糧支援
  • 寄付日:2024年9月30日

また、2026年度からは「ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン」への寄付も選択可能になります。
これは、マクドナルドとの長年の関係を活かしたスターゼンならではの社会貢献策といえます。

Q&A(よくある質問)

Q1. マックカードは誰でももらえますか?
→ 200〜599株を保有し、WEB申込を行った株主が対象です。はがき申込では選択できません。

Q2. マックカード以外に何が選べますか?
→ グループ製品の加工品・銘柄肉ギフトなどが保有株数に応じて選べます。

Q3. 優待はいつから新制度に変わりますか?
→ 2026年3月末時点の株主名簿から適用されます。

Q4. 寄付を選んだ場合、どこに寄付されますか?
→ 2026年度は「ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン」への寄付が予定されています。

まとめ

スターゼンの優待制度は、
「マックカード」という身近な特典を通じて株主と自社をつなげるユニークな仕組みへと進化しました。
長年マクドナルドにビーフを供給してきた同社らしい温かみのある優待内容といえますね。

ここから先は企業分析になります。

会社概要|スターゼンの歴史・事業領域・上場情報をチェック

スターゼン株式会社[8043]は、1948年6月に設立された食肉業界の大手企業です。社名には「食肉業界のスターになる」という願いが込められています。

本社は東京都港区港南にあるスターゼン品川ビルで、2022年に旧港南ビルの建替完了に伴い新社屋へ移転しました。代表取締役社長は横田和彦氏で、東証プライム市場に上場しています。資本金は約116億円、筆頭株主は三井物産株式会社で、出資比率は約16%です。

全国に広がる販売網を持ち、外食産業向けの加工肉供給にも強みがあります。従業員数は連結で約2,800名、グループ会社は国内27社・海外25社を展開。安全・安心で高品質な食肉や加工食品を国内外に提供する「食肉業界のトータルサプライヤー」として、幅広い事業を展開しています。

過去5年(2021~2025年)の財務データ

過去5年間の主要財務指標を以下の表にまとめます(連結ベース)。売上高と経常利益は決算短信・有価証券報告書の実績値、ROEは当期純利益に基づく自己資本利益率、PBR(株価純資産倍率)とPER(株価収益率)は各期末株価で算出された実績値です。

決算期売上高
(億円)
経常利益
(億円)
ROE(%)PBR(倍)PER(倍)
2021年3月期3,49286.0711.710.806.84
2022年3月期3,81491.659.320.616.51
2023年3月期4,251102.8410.630.605.66
2024年3月期4,105107.829.630.717.33
2025年3月期4,361106.6113.740.614.46

5年トレンドの要点

スターゼンの売上高は、2021年の3,492億円から2025年には4,361億円へと拡大し、年平均で約+5%成長しています。食肉価格の上昇や取扱量の増加が背景にあります。

経常利益はおおむね横ばいで、利益率は約2.5%前後。もともと卸売が中心のため高い利益率は望みにくいですが、安定感があります。

ROE(自己資本利益率)は2025年に13.7%と上昇し、資本の使い方が効率的になっていることがわかります。
株価指標では、PBR0.6倍・PER4.4倍と割安水準。利益が今後も維持できれば、再評価(株価上昇)の余地はあります。

事業内容と売上構成|スターゼンはどんな食肉ビジネスを展開しているのか

スターゼン株式会社は、食肉の調達から加工・販売までを一貫して行う「食肉総合企業」です。国内外に広がる調達ネットワークを持ち、牛・豚・鶏などの幅広い食肉を取り扱っています。輸入では米国やオーストラリアなどから高品質な食肉を安定的に仕入れ、国内では畜産農家と連携して国産銘柄肉の生産にも取り組んでいます。

主力は、仕入れた食肉をカット・整形・パック詰めなどの一次加工を行い、外食チェーン、スーパー、コンビニなどに卸す「食肉事業」です。全国に営業所や加工工場、物流センターを展開し、「必要なときに、必要な量を、安定して届ける」体制を整えています。外食・量販向けに加え、家庭向け商品や業務用加工品なども幅広く対応しています。

また、ハム・ソーセージ、惣菜、ミートギフトなどの加工食品事業にも注力しており、自社ブランドの「浜中黒牛」「さつまビーフ」などを展開。ふるさと納税向けギフトや業務用調理食品の製造を行うグループ会社「スターゼンミートプロセッサー」と連携し、BtoBからBtoCまで幅広いニーズに応えています。

2025年3月期のセグメント別売上構成を見ると、

  • 食肉事業:約79%
  • 加工食品事業:約18%
  • ハム・ソーセージ事業:約2%
  • その他:約1%

と、売上の約8割を食肉卸売が占める構成となっています。残り2割弱の加工食品関連事業は、近年成長分野として注力している領域です。

スターゼンのビジネスモデルは「薄利多売」型ですが、安定した調達力と物流網を背景に、国内トップクラスの取扱量を誇ります。2025年3月期の売上高は4,361億円に達し、今後は主力の卸売で培った基盤を活かし、加工食品やブランド肉など高付加価値分野での成長を目指しています。

競合企業と比較!割安度や収益性をデータで検証

それぞれの企業のデータは決算短信を元に作成しています。2025年の期末、2024年の期末など、作成時の最新の期末のデータを使っています。単位:売上高・経常利益=億円/ROE=%/PBR・PER=倍

企業名売上高
(億円) 
経常利益
(億円)
ROE(%)PBR(倍)PER(倍)
伊藤ハム米久ホールディングス9,887.7207.54.591.1118.22
プリマハム4,583.5105.05.930.9514.14
丸大食品2,349.760.68.290.689.79
スターゼン4,361.1106.613.740.614.46

伊藤ハム米久ホールディングス(2296)
ハム・ソーセージや惣菜など幅広く手がける業界最大手の一角。安定した収益基盤を持つ。売上規模が約1兆円と最大手クラスで、利益率・ROEともに安定。ただし、株価指標はすでに平均的水準(PBR1倍超)。

プリマハム(2281)
加工食品事業が中心で、ギフトや家庭用商品の強さが特徴。利益率は高めながら、株価水準はやや割高圏(PER約14倍)にあります。

丸大食品(2288)
ハムや惣菜などを手がける老舗食品メーカー。ROE8%・PER10倍前後と堅実な収益と割安感を併せ持つ中堅企業です。

中期経営計画から見るスターゼンの将来性と注目ポイント

スターゼンは、2023年度から2026年3月期までを対象とする3カ年の中期経営計画を推進しています。
テーマは 「収益構造の再構築とサステナブルな事業運営」
10年後の理想像から逆算して目標を設定する「バックキャスティング型」の計画で、持続的成長と社会価値の両立を掲げています。

1.国内事業の再構築と効率化

国内の製造・販売・物流体制を見直し、より強固なサプライチェーンを構築します。
業務効率化の中心となるのが、社内DX計画「Zeusプロジェクト」。基幹システムを刷新し、販売・物流・生産などを一元管理することで、業務の見える化・スピード化・生産性向上を実現しています。
すでに一部システムは稼働を開始しており、データ連携による原価管理や需給調整など、利益率改善への成果が見え始めています。

2.海外事業の拡大とグローバル展開

国内市場の成長が鈍化する中で、海外市場への展開を加速中です。
スターゼンが得意とする和牛やオージービーフなどの輸出強化を進め、海外販売拠点・パートナー企業との連携を強化。現地での調達・販売ネットワークを拡充し、輸出入の両面でグローバル体制を整えています。
中計期間中には60~120億円規模の海外投資を予定しており、アジアや北米での展開拡大を見込んでいます。

3.国内成長市場へのアプローチ

国内でも、高齢化や健康志向の高まりに対応した商品開発を進めています。
たとえば、高たんぱく・低脂肪の健康志向製品や、家庭向けのD2C(ダイレクト販売)チャネルを強化。
また、「スターゼンNo.1・Only1商品」として、自社ブランドの「浜中黒牛」「さつまビーフ」など差別化された商品力の拡充にも注力しています。
これにより、外食・量販依存からの脱却と、安定した収益基盤の構築を目指しています。

4.サステナビリティ経営の推進

スターゼンは「食の安全・安心」だけでなく、ESG対応の強化も中期計画の柱としています。
温室効果ガス(GHG)の削減やアニマルウェルフェア(家畜福祉)への配慮に加え、代替肉(プラントベースミート)や再利用可能資材の研究にも着手。
こうした取り組みを「コスト」ではなく「成長ドライバー」と位置づけ、持続可能な事業モデルを追求しています。

5.数値目標と進捗状況

項目2026年3月期 目標2025年3月期 実績進捗率(目安)
売上高4,400億円4,361億円約99%
経常利益100億円106.6億円達成済み(106%)
EBITDA120億円123億円達成済み(102%)
ROE8%以上13.7%大幅達成
自己資本比率40%以上51.6%安定的に上回る

数値面ではすでに多くの指標が中計目標を前倒しで達成しており、特に収益力・資本効率の改善が顕著です。
今後は、海外展開・DXの本格稼働によってさらなる収益向上を図る方針です。

強みと弱みから考える、スターゼンの投資判断は?

強み

スターゼンの最大の強みは、食肉業界における垂直統合型の総合力です。
創業以来の食肉卸売事業で築いた国内外の調達ネットワーク全国規模の販売網により、牛・豚・鶏などの食肉を安定的に大量供給できる体制を確立しています。

取引先には日本マクドナルドをはじめ、大手外食チェーンや量販店が多く、長年の取引実績による信頼性は業界でも高い評価を受けています。
さらに、自社グループ内でハム・ソーセージ、惣菜、ミートギフトなどの加工・製造機能を持ち、一次加工から最終製品まで手掛けられる点も大きな特徴です。これにより、顧客ニーズに合わせた商品開発や柔軟な提案が可能となり、BtoBだけでなくBtoC分野にも対応できる競争力を備えています。

また、社内DX計画「Zeusプロジェクト」や物流拠点の再整備を通じて、効率化と高品質供給の両立を推進中。
こうした一貫体制と業界知見、そして取引先との信頼関係こそがスターゼンの成長を支える最大の強みです。

弱み

一方で、スターゼンにはいくつかの構造的な課題もあります。
まず、国内の食肉需要は人口減少・高齢化・健康志向の影響で伸び悩み傾向にあり、将来的な市場縮小が懸念されます。物価上昇による個人消費の減退もリスク要因です。

さらに、食肉卸売という業態の特性上、利益率が低く、相場変動に業績が左右されやすい点も弱みです。
原料畜の価格上昇や為替変動、豚熱や鳥インフルエンザといった感染症リスクが収益に影響する可能性があります。

加えて、BtoB中心の事業構造のため、消費者向けブランド力では大手加工食品メーカーに比べて認知度が低いという課題もあります。
また、代替肉やアニマルウェルフェアなどの新たな社会的テーマへの対応はまだ発展途上段階です。

ただし、スターゼンはこれらの弱みを克服するため、海外市場の開拓・高付加価値商品の開発・サステナビリティ経営に取り組んでおり、中期経営計画の中で明確な改善策を打ち出しています。

まとめ|スターゼンは「割安な優待株」として狙い目か?

スターゼン(8043)は、食肉の調達から販売まで一貫体制を持つ総合食肉企業です。長年マクドナルドにビーフを供給してきた実績を生かし、2026年3月期からはマックカード優待を導入。株主が事業を身近に感じられるユニークな制度にバージョンアップしました。

業績面では、2021~2025年にかけて売上高が約5%成長し、ROE13.7%と高水準を維持。PBR0.6倍・PER4倍台と依然として割安感があります。競合の伊藤ハム米久HDやプリマハムと比べても、収益性が高く評価が低い“見直し余地のある銘柄”です。

中期経営計画(2023~2026)では、DXによる効率化・海外展開・健康志向商品の強化・ESG経営を柱に、すでに多くの数値目標を前倒しで達成しています。安定した供給網と加工技術を強みに、国内外で持続的な成長を目指す姿勢が明確です。

今後は、利益の安定維持と市場評価のリレーティングが焦点となりそうです。
「構造改革+サステナブル経営」を軸に成長と社会貢献を両立しながら、「食の感動体験を世界へ」届ける企業としての発展に期待したい銘柄ですね。

参考文献・出典一覧

*本記事の内容は2025年10月時点の公開情報をもとに執筆しています。企業IR・株価などは今後変更される可能性があるため、最新情報は各社公式サイトをご確認ください。

スターゼン株式会社「株主優待制度の変更に関するお知らせ」(2025年5月)

スターゼン株式会社 IRライブラリー(決算短信・有価証券報告書・決算説明資料)
 https://www.starzen.co.jp/ir/

スターゼン公式サイト(企業情報・グループ製品)
 https://www.starzen.co.jp/

IRバンク(スターゼン財務データ・過去決算推移)
 https://irbank.net/E04773

Yahoo!ファイナンス(スターゼン[8043]、伊藤ハム米久HD、プリマハム、丸大食品)
 https://finance.yahoo.co.jp/

有価証券報告書(EDINET: E04773 スターゼン株式会社)
 https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/

各社決算短信:伊藤ハム米久HD(2296)、プリマハム(2281)、丸大食品(2288)

日本マクドナルド関連:マックカード公式案内ページ https://www.mcdonalds.co.jp/service/mac_card/

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